抱き上げた途端俺の眼鏡が柔らかな頬にぶつかったのか、赤ん坊はいきなり泣き出す・・・。俺は生まれて二百六十五日経ってようやく孫を抱くことが出来た。この嬉しさはこれからこの孫を我が家で成人するまで育む責任の重さに相当。しかし俺の寿命を否が応にも延ばしてしまう力がある。やはり子供は国の宝、未来の礎なのだ。俺はここまで拒んできた次女を可愛いなと思う。最初は歯がゆかった。憤りもあり、ふて腐れることも・・・。こんなに金銭面で世話になりながら俺様を拒むなどケシカラン!!と。しかし雪解けを待つのよ?っていうキャロルの言葉に従った。俺は短気で、人扱いのその面ではキャロルがはるか上。どんな状況であっても必ず打開場面は見えてくるとの見解は正しかった。いろんな見方はあるだろう。流儀を重んじるニッポンの子育ても随分変遷を見てきた。そこでどういう認識にあるか、本人の流儀も関与してくる。キャロルは絶対に強制はしない。そしてそういう温容な態度をいつの間にか会得していたのだ。デルスカイしておこう。キャロルの流儀である。