サファイア・マン《緻密な男編》〔83〕シゲルちゃんが頭に描く理想野球とは、余りにレベルが高過ぎて、とてもキャロルは追い着けませんが、後逸という野球用語を会得します。プイーグは前田登板時、余りに深い場所までいってて球を落としてしまう・・・そしてその後が凄いんです。ベンチで泣いているようにみえる。きっと後悔の念が物凄かったのでしょう。これだけの猛省力がありながら、エリスがバントを絶妙に決めて三塁へプイーグを塁進させようとしているその場面で、全くその意思がない。これは今の若者の顕著な一例で試合を観ていないのではなく、動かない。動けないのではないのです。今の若者世代もマップタツに別れます。新人類のまた新しいバージョンで大人に自分から肩を組んだりする、マーリンズのフェルナンデス投手のような親密派とちょっと距離自体を置くクール派で、ハーパー選手などは後者でしょう。この二種類の若者を比較すると面白いものが見えてきます。親密派はやはり自分の強者具合をよく知っているということで、クール派は自分の位置をよく見極めているということです。コーチに向かって自分から肩を組むなどありえなかった時代を懐かしいと思うか?それともそれが出来ない、クール派をこころの奥底で支持するか?キャロル自体迷いに迷っています。