ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔138〕まさお君のお父様には考えがありました。もしもこの娘に今の今・・・世の中に通用する才能があるのならそれを自分が試すことも出来るのではないのか?もしも本当にそこに才能の原石があるのなら自分だってそれを見出す鑑定する力くらいは有していると。まさお君のお父様はこの娘に十六小節アドリブさせるときに、実際いまだ聞いたことのないよいうなフレーズを何回も耳にしていて一体全体この娘の両親はどんな教育を施したのか?と実は興味津々な部位を持っていたのです。クラシックを齧った人間にはどこかに堅さや頑固さがあって、それに順当する技術があったもののこの娘が持っているテクニックは自分で切り開いた分野、メロディーゴールがある。しかもそこに若干のブレがあったことに驚愕するのです。いつでも違ったアドリブが出来るということは実は脅威な出で立ちなことをまさお君のお父様は知っていて、それが固定化されるとき仲間の全員が記憶してしまうチーム音源になっていくという陣式で、パートを司るプレイヤーにこういう独立体系を持つ人間が入ってくると強くなる。チーム自体が最強の法則を弾き出す・・・まさお君のお父様はもちろんその裏も考えます。この娘から自分の息子が傷付けられることです。まさお君は幼児の気質も持っていたのです。