サファイア・マン《かけがいのない男編》〔77〕キャロルたった今、前田投手の全文を読みました。こんな慟哭があったんだ・・・というのは確か岩隈投手のときにもあったからです。アメリカほど医学分野が進んでいる国はなく、ニッポンのエリート医師たちも渡米が一応の目安になっている。助手クラスになる前か後に渡米研修があるのです。そういった緻密な検査で、痛くも無い腹を探られてどんなに傷付いたことでしょう。みんながこの寄稿文を読んで次々浮かんだ言葉を列挙してみるのも語彙力強化の為に役に立ちます。酷使、トミージョン手術、妻子を養う、そして限定的挑戦がキャロルには浮かびました。みんなの語句はどうなりましたか?独身ではない前田投手の挑戦には責任があるということと、我々にも見えないニッポンでの花形投手としての酷使が腕に掛かっていたという暫定とトミー・ジョン手術の影。こういった語句一巡がとても大事なのです。俺は体は全然大丈夫!っていう気持ちは誰にもあるし、キャロルだって、まだ、三年は検査なんかは要らないとそう思っていてシゲルちゃんもそうでした。意外にもシゲルちゃんもバリウム検診だったんです。それも五年はさぼっていた。ある日、急に胸騒ぎがして、胃カメラに転向するんです。その日のうちにも癌の疑い濃厚になった。発見から手術まで二週間、その速さがすべてですよね。〔トミー・ジョンという選手が初めて受けたのでこの言い方するそうです。考案したのははフランク・ジョーブ氏〕