年収が四百万円であろうと、二百万円であろうと、ゼロであろうと、俺は全く拘らなくなった。それは妻を見ていてその思いを強固にした。彼女は働かない宣言を出したのだ。もしもキャロルがもう一回コンビニで働くなら俺は相当に嬉しかったしネジも巻かれていっただろうに、意外や意外、彼女はこういったのだった。私は最高の還暦を迎える!って。それは取りも直さず、ニートでラブソファに横たわって・・・ということだろう。俺はもう何も言うまい!とそう誓うのだ。馬鹿!とかアタマ悪い!って言われてまで、無理して働かせるほど、俺も無神経にはなれない。彼女には彼女の精神世界が依然としてあるのだ。デルスカイしておこう、ニートの世界だ。