本当に困ったことになってしまった。帰るのが延期になったのはいいとしてもチケットを紛失してしまっている。どこを探してもファミポートで出して手に入れた新宿から博多までのバス券がないのだ。あっちこっち昨日は小雨の降る中探し回った。トートバッグの外側のポケットに入れていた。封筒から出してないそれは一体どこへ消えたのだろう。これこそ忽然と消えたのだった。こういう場合、キャンセルしてもお金は戻らないかもしれない。券がないからだ。そこを思うと残念だ。もうセブン矢上店にも行くことは不可能だろう。こんなに遅くなっては申し訳立たない。キャロルはシゲルちゃんの大きな懐を思って実は驚いた。この券を失っていたことはまだ、知らなかったときだ。ネカフェの部屋のどこかに置いてあるかも?とまだ期待していたのだ。彼はバスがどうも嫌いのようなのだ。きっとキャロルがシートベルトをしないと思っているのだ。自分が迎えに来たいのかもしれない。その券の値段は一万三千円なのだ。それはキャロルにとっては大金なのに・・・。彼はお金の大小ではない時が人生にはあるとそう息巻くのだ。キャロルが思っている以上に大きな人物だというのか?ハセスの法則・・・男の甲斐性を知った女の今後は飛ぶ鳥を落とす勢いになるだろう。