ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔126〕竜宮城というキャバレーに初めて行ったときの感動を今も覚えています。諫早永昌東だったと思う。トントントンと二階への階段を上った場所にキッチンがありバンドマンたちの控え室もありました。オーナーの奥様が簡単なおつまみを作っていたんです。クラブに出す料理の仕出し屋のような部位ですがキャロルはそこで飛ぶゴキブリを見て腰を抜かしてしまうのです。ゴキブリに羽根があることさえ知らなかった自分の世間知らず。みんなはゴキブリなんて当たり前だよって笑い飛ばすのがキャロルには奇異に映るんですね。しかし自分もこのゴキブリを知り得たことに世間というものの枠が広がったことに気が付くんです。家にタクシーで帰宅するお金の余裕はありませんがクラブ休みの日曜日には帰宅して母に全容を伝えていたんです。母は唯一の理解者でしたがピアノで収入はまだない・・・と伝えると心配顔ではありました。何かアルバイトを別に探す予定でいるんだ。それを聞いても母は憂鬱顔なんですよね。バージニアというその頃あったかどうかはわかりませんがハッカ入りを吸っていました。最近女子会専用タバコが鏡付きで出たのでキャロルもお給金出たらソッコ~買います♪大きなコンパクトに魅了されました。