キャロルは今日は初出勤でこころがざわめき、昨日のオーナーの言葉が感動で、店のみんなにオーナーがダブルセブンに勤務になったキャロのことを話しておられて、まず店に行くと店長が、新しいドーナツの試食よ?って渡されて・・・。それでもそれを食べる時間なくて、せっせとホットコーナーにホット飲料を補充してカッターナイフで見易いように切り取り奥に保管。少しずつカッターナイフにも慣れてきたもののまだ怖い。なんと六十歳目前までカッターナイフなるものを使ったことがなかったのだ。みんなの唖然とした顔。一体どういう人生を送ってきたのだろう・・・そしてこれで、間違って二週間前は血を流してしまう・・・あれから店長は優しくなってしまった。この人は本当に不器用で社会的経験も家庭的経験もない未熟な人なんだなあっていう感慨。店長はキャロがカッターナイフを握るたびに血を思い出してしまう。明日から頑張ってね?他の店はやり方が違うから気を付けてね?温容で寛容なる言葉にキャロは頷いた。ハセスの法則・・・相手が血を流してしまえば出来る女は豹変する、出世目前の女性といえる。