サファイア・マン《かけがえのない男編》〔46〕実は今朝未明、父が夢に出てきました。スティーブ・ジョブスさんとバースデイが同じ父なんですが、キャロルが最もお世話になった、しかも愛された人物・・・。もうこの世にはいないけれど、こうして夢に出て来て、言葉はなぜか交わさないんです。キャロルの家を彼が訪ねてきます。彼のこころはこうでした。ずっと容子さんの家にいたいけどそれは出来ない。生前、彼が苦悶したことが鮮やかに蘇ってきます。なぜ?とこころで問い掛けます。自分は家をちゃんとしないといけないから・・・ここは容子さんの嫁ぎ先。ここにいたい気持ちは山々だけど、自分は悠々自適の身ではない...と。それならそれで、いたいだけ居ていいのよ!そう言ってキャロルは椅子にバスタオルを畳んで敷く。台所の椅子とテーブルのような家具で、しかも父は暫くするといなくなるのです。バスタオルをなぜ敷いたか自分でもわかりませんが、きっとお漏らしを警戒したのでしょう。父は自分の息子が自立も出来ないまま、この先どうなってしまうのか?それをいまだに悩み続けていて、その愛情の深さに参ってしまうのです。それに比べてキャロルはどうでしょう。自分は自分、子供は子供と割り切っています。父が私を授かったのも人生における相方だったからでは?とそう思うのです。