思いやりやチームワークの原則がもしもなくなったら、恐らく、どんな組織でも崩壊するだろう。俺はどっちかというと今、キャロルをこずき回し、ガンガン怒鳴るその主婦のような上司人間だった。カンペキがないと、企業人ではないし、その確たる誇りがあった。弱者でいじめられているように見えるそのキャロルのような人間に共通するのは歩調を合せようとする努力が足りないのであって、俺はどっちかというともしも自分が店のオーナーの立場なら、頭を痛める場面だなあと思い遣る。キャロルがもしも四十代であったとしてもこれは仕事の速さとか、力量の問題ではなくコンビニが解決すべき恐らく課題なのだと思う。ローソンなどでは、名札にリーダーと明記させてバイト同士の差別化を図り、競争心を引き出しながら現場教育をやって来た。こういう研修参加でリーダーを育てるだけでは解決しない何かがある。リーダーが研修受けて年数重ねればなれるという種の問題ではなく奥は深い。だから今回は面白みがある。