サファイア・マン《緻密な男編》〔36〕同伴の場合、店に出勤は八時回ってもよくて、そういったウレッコ達の様相を見るにつけ羨ましくなります。自分にも顧客のひとりくらい?とそう思いますが最初の一ヶ月のほとんどがヘルプでつくそういう日々でした。ナナさんは岡田奈々にそっくりな風貌で華がありました。時々ヘルプで呼んでくれて意気投合したのです。そんなに早くに店を辞めてスナックを構えるなどキャロルは想定外でしたが、ほとんど同じテーブルに五分と座っていない奈々さんはそこにおれないがゆえの人気枠という点で群を抜いていたのです。今生、暇なニンゲンがヘルプをしてもてなすが、男の目線は奈々さんを追っている。ヤキモチなのかも?って。あゆみことキャロルが一気に仲間を驚かせたのに、たもっちゃん地下足袋事件があります。マエダンをたもっちゃんって呼びましょう。あゆみこと妻ははどんな接待をクラブでしているのか?とまだ六時半という早い時間に突然指名して来たのです。キャロルは躓きそうになるのを禁じえない。オーナーはたもっちゃんが帰る前にトイレに立ったキャロルに近寄り厳重注意します。ここは会員制クラブ、服装の規制があるんだ、それに会員制なんだから誰かのビジターでしか来れないんだよ?わ、わかってます、自分もいきなりだったですよ~っ説明。ホステス達は全員冷笑していました。あれがあゆみの正体よ!!って言わんばかりにざわついていてキャロルは肝を冷やしたのです。ホステスやオーナーはガラスカウンターで賑わう前の時間座って待機していたのです。