サファイア・マン《緻密な男編》〔29〕奇遇にも昨夜、浜勝の浜勝スペシャル定食に、エビについてきたタルタル。これを少し味見させて?って次女にもらって舐めてみると、旬の野菜が刻んでいれてあってその意外性あるマッチングにうっとり・・・・。こういう高価な店こそ、顧客をびっくりさせて貨幣価値というものを大衆に知らしめるのでしょう。高級というと手に届かないと思いがちですが、こころの持ち方次第でどうにでもなるし、母の日にまた来てもいいよね?と、あのケチなシゲコがのたまうのには驚きです。人生はこうして常に食が絡んでいます。うちの長男も面白い発言で周囲を沸かせる達人で、焼き魚を本当に火であぶったものは滅多にないから寂しいね?って。コンロでもいい、焼いたものを皿に出して欲しいって。キャロルは焼いた魚を子供達に出したという記憶はなく、当時従姉が冷凍食品を一切使用しないという話を聴き尊敬の念に平伏します。考えてみるとこの世の中に《食》ほど面白いものが果たしてあるでしょうか?長男が言った言葉がひしひしと蘇ります。レンジでチンする焼き魚を盛り付けながらそっと思うのは時代の推移についてです。そこであまのじゃくにも自分を死守するものだけが一流の食生活を維持している。そしてそれは文学にもいえる。音楽も絵画も書も同位でしょう。たとえ、時代に取り残されたとしても、不価値、時価、奥義、伝統というものは健在だということです。誰がなんといっても自分の文化を守ることです。