ルビー・ウーマン《復讐の館編》〔95〕昨日の晩ほど、くたくたになった夜はなかった。いつも駐車場が満杯で入ることのかなわなかったセブンに駐車。ポイントが四十円くらい残っていて、小銭を足して新ザブリューを購入。家に帰って自分にご褒美と言いたいけど、そういうリッチーな気分ではない。正しく落ち込んでいたんです。店長から君に合格を言えないかも、そういう気持ちが強くなってきた・・・と。原因はパニックでした。ひとりあげ。何もかも自分でしないと?というプレッシャーはキャロルを地獄のグリルに追い込む。ミスするのではないのか?そういった自信の無さが地獄の様相を引き出していたんです。キッカケはミートドリアでした。ちゃんとそれを出してレンジアップ終わっているし、オーブンにも入れたのに、ミートドリアの伝票をもう一回見たときに、ミートで、肉だった・・・と勝手に勘違い、それを隅っこに出したまま、今度はチキンドリアのレンジアップ。あとから自分が先に出そうとした方が正しかったとわかるけどもうパニック。パニクリまくり。救援ヘルプをお願いして新オーダーグラタンも入ってて先輩に心理的な苦痛を与えてしまう。ハイキがふたつ。最初にレンジアップして冷めたミートドリア、そしてチキンドリアです。南蛮の肉の表と裏ををまだ間違えてると、先輩は何月何日から厨房にきたのかな?と訊く。三月十一日です。同じミスを繰り返さないことよ?平謝りでした。店長から買い取るようにハイキについてを言われていたのに、それを厨房に置いたまま退店してしまった。その事がキャロルをさらに苦しめていたのです。