ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔81〕キャロルにヨッキちゃんはピシャッと言い除けます。容子ちゃんがあんな男を選ぶとは思わなかったって。前夫は酒は飲みませんが、アラクレだったのです。ダイクの修業中も、親方を泣かせてばかりだったとか。しかし情は深く、みんなから愛されました。長崎機電サービスの社長も懇意でした。一度知り合った人々のこころを決して離さず、トリコにしてしまう、そういったアラクレこそが、野獣の魂。キャロルは第一回目のケッコン時みんなから、旦那の仲間達からこう呼ばれました。美女と野獣のカップルだ!と。そういう言われ方をしたことに少し疑問も感じった。だって、キャロルこそが獰猛な一面を持っていたからです。母など、面白いことに三回ともたまげた顔をしていました。母には男を三回紹介したんです。一回目がマエダン、二回目は、それこそ、キャロルが20代最後にケッコンしたい!と焦った男。三回目は今の旦那、一回目のマエダンのときは、チッといわれました。ガクがないからダメだ!!ということです。二回目の時には、男が会うのを嫌がって矢上神社の正面前で待ってました。えええ?って母は残念がるんですね。会いたかったって。三回目はイマダン。母ははっきりとこうかましました。あんな・・・苦虫を噛み潰したような男、一体どういう訳?自分が苦労するだけなのよ?べつにあなたがケッコンするから色々言えないけどって。いやはや参りました。先人達は、ケッコンする前からすべてをお見通し。つまりローマは一日で見れたんです。