ニッポンでは四月二日生まれから新入生。だからってことで、キャロルのイエスタ日記は四月二日からにならない。そこは考えておかないと、長崎バスに乗り遅れる。わが近隣もかつてなかった光景に俺の目が細まる。長崎バス県営バスと肩を並べて、この街をすいすい走り始めた。嬉しいのは、県営バスの料金まで、下がった。競争がもたらす叡智を手にした、この住民の喜びは、春の日溜りのように温かいものだ。競争が市場をまともにするのだ。俺は随分、四月生まれで得をした。我が家の次男は三月。しかも最後の十日間に入る。キャロルが学年ひとつ、飛び級にしてしまった、帝王切開だったから、バースデイを選べたのだ。そういった試練が次男を鍛えたし、当時は可哀想に思えたことが、今はたくましい、人生とはそういうものだ。