ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔79〕その頃、55年前といえども住吉地区は教育ママが出揃っていたのか?母はあれ程、この地域を去ることに悩んだというのもわかるし、なぜ?教育ママが多かったかやっとわかります。あのアパートが公営で、今で言えば長崎のモデル住宅の発祥の地のような建物だったからです。しかし不備もあります。風呂なし、エレベーターなし、至るところにネズミがいて難儀もあったのです。しかしそこに住むのは公人、いわゆる公務員が多かったのでしょう。人々は比較力に溢れ、いつかは自分の家を建てるぞとの気合を持って入居、しかもその教育熱には目を見張った。何も母だけが音楽に走ったのではなく、ほとんどの家庭子女はすでに音楽を視野に、そしてボーイスカウト全盛期でした。面白いことばかりの活動を耳にしてキャロルも入隊したくなります。あの首に結ぶスカーフが可愛くてネ♪長崎大学教育学部付属幼稚園の存在もはずせません。あの幼稚園に入れることを主眼に母は動いていたはず・・・。でも記憶では受けなかったと。度重なるキャロルの言動や行動が母を哀しみに導いていた。まずキャロルには迎合がありません。いつも自分中心なのです。なぜ?みんなに従えない??理屈では解明出来なかった。母はお友達からアドバイスを受けます。お手伝いさせてみたら?そうだわ!!母は教育以外での初めての試み、オツカイに着手します。この子はみんなと接触するのが大好き、それなら買うことをまず教えよう・・・。