俺は実は猛省しているんだ。キャロルがダイエーのアルバイトに出たときだった。もう12年も前の話になるが、その翌月から、キャロルに渡す生活費を半減させた。それにアイツは切れまくった。こんな仕打ち受けるなら、自分が働く意味ない!って。泣いて訴えてきたが、俺は容赦なく下げた。ふたりの間に確執が生まれたのは言うまでもなく、全亭主にそこを言いたいのだ。苦しいから、今後を思って、妻に渡す金銭を半減するなら、話し合いや、時間を経ること。ここが肝心なのだ。俺も、妻が余裕が出てくる、半年間待てば良かったと、あのときを後悔する。そうやって、軋轢や確執を生んでしまっては、供働き〔子供の供が付くことで正に教育費のために働くこと〕も効は奏じない。相手の働く意欲を殺いでしまえば意味自体が無くなるからだ。俺は今なら、生活費そのものを金額不動で、外に出せる。それだけこころが成長したのだろう。夫婦のこころは、いつも寄り添っていなければ、どんなに貯蓄が増えても意味がないという行〔くだり〕である。