ルビー・ウーマン《黎明編》〔69〕弟が介護によって、こころに柔軟性ややる気を博してきていることを姉の容子は期待しているが、懐疑する部位も見えて来たようだな?そうです、容子は透視しますからね~通常の人間を透視する以上に、遺伝子酷似の弟に関してはより見えていると俺は思います。その懐疑が守銭奴だと?弟には、世の中を見返したい!という腹積りがことの他強いが、容子はその弟の気持ちを理解出来るだけに対策を練っている段階なんです。ほう・・・それは?容子は雑談して話を引き出すことで、弟の気持ちをリラックスさせ、今のうちにアルバイトを探すというひとつの道を示唆しています。お昼の五時間でも姉に来てもらい、弟は他で働くのです。そうすれば、姉と一緒に父を看れる。しかも弟にも仕事の種が見つかる。姉も材料代くらいは頂くがそれは姉にとっても収入になり助かる。二人分作るも、三人分作るにもそう献立費用は変らない。しかし頑なにも弟はこの案を呑みません。あくまでも地元では働きたくない!という強固な根幹があって、その気持ちなんとなくわかると、正月帰省した息子たちが容子にありのままを吐露したのにあいつは参りました。容子はヒントを得た。マイルド・ヤンキーなら、当然地元としっかり密着しているが、弟の場合は一匹狼なんだなあという観察結果です。容子は知るんです。温かい人間関係を彼が欲しているにもかかわらず、その地盤が構築を見ていないこと、それが病床にある父のこころに不安な影を落としているのだと。