ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔59〕しかし、どれだけ待っていようとタヤの口から母を訴追する声は聞こえない。その替わりというか、伯母はかまびすしく騒ぎを大きくしたいのか?という程に母の悪口を。ほら言ったでしょ!私は調べたのよ、人の噂っていうもので・・・。伊良林小学校に知った先生が居たから、評判を尋ねたら良くなかった。先生としては大人し過ぎて資質はどうかな?っていう疑問符だったのよ!あのときにあの嫁を追い出すからこういう結果が来たのよ・・・。タヤは黙っています。この伯母さえ産後の肥立ち不良を理由にタヤが相手方からお引取りをやってのけていた次女だったのです。禿山の一夜の楽曲が流れてきますが、キャロルは程なく、恐ろしさの中の真実に気が付くのです。母は、なぜ、時代の先鋒を任せられたのか?という項目です。これには確たる理由があるものだろう・・・。お母さん、ママ~~~ママ~~~とテレパを送りますが神が送って来ます。そこには霊となった姉妹がいるのだと。タンスの中の産着が話しかけてきます。私達が先客よ!あなたにはそもそも権利がないのよ?って。キャロルの頭の中にタヤに対する女性の究極が刻み込まれます。アルティミット・・・。誰かが、先鋒とならなければならないがそれをやり遂げバトンタッチ出来る人間は限られるということ、よもや女性を子供を生む機械などと位置付けたタヤ本人ではないことを、あの場面でくっきりと表したし、ヨシキちゃんも、うるさい!!静かにせんか!!と15才ながら襖をあけての攻防を。その眼には憎しみが漲っています。何を隠そう、無断で茨城から連れて来られて両親ととうとう離れ離れに・・・。この怨念もタヤを追撃していたのです。