ルビー・ウーマン《黎明編》〔54〕この国で育ったという感じがしてこない娘だから、そこは新風を巻き起こすだろうし、何もかもを変えてしまう、新出の二文字がピッタリだな?ありがとうございます。ここはかたじけないを使って欲しいな、脇田大佐。神はざっくばらんにも言うのでした。この国が抱えて久しい難問も瞬時に解決してしまうこの娘の魔法はどこから来たと思う?それは、海の底でしょう・・・。風情があるな、空ではなく、海と来たか~孫は私の言葉を伝えてくれるでしょうか?さあ、それは、なんとも言えんな。これだけ、ニッポンの新聞各社から虐めを受けている身。ニッポンの立場も危ういし、新聞も同時に。しかしながら、年輪を経過した分の人間的成長部分があるのでは?と睨んではいるが。脇田大佐はそれこそ、虫がいい話なのでは?と思いますが、口には出しません。それも神には伝わってしまうんですね。備長炭となる極上のウバメガシをどこかで大量に仕入れたとしても、大切なのは、加えられるねらし〔精錬〕。この工程に入っている。さすがは元帥だ・・・と脇田大佐は感嘆します。帝国海軍にはこれだけの度量を持つ人々は他にも数多く居たのではないのか?それなのになぜ??神は清清しい表情で、こう答えるのです。下衆〔げす〕の勘ぐりと、最も距離を置いた場所に、孫の容子が来ている、そのことがそもそも奇遇なんだよ?と。どれだけのお膳立てもこの子の視線には勝てない。どういうことなんですか?黙って指をくわえているだけだったこの国の第二の敗戦なのさ、しかし、容子は無傷だ。ニッポンのUボート船団を率いる豪腕はキャプテンにふさわしい、くれぐれも見守ることを怠らぬように。まこと、かたじけのうございます。