ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔30〕それまでの、まさお君と出会ってからのキャロは、ウサギと亀を繰り返していたのです。父がたびたび、諫早まさお君の家や、キャロを取り戻すために、クラブにまで追いかけてきていた。ウサギはキャロ、速い、速い!!でもある時に、父に捕まるんですね、新道という地名でした。父は、バンドマンのことを、けちょんけちょんに、けなすんです。腹が立ったキャロは職業に貴賎はないはずだよ!!って言い返すんですが、そのときにも、ゲセンって口走っているんです。下賎だと勘違いしていたんです。後半の人生で、その恥ずかしい過ちに気がつくんですが、本当に、箸にも棒にも引っかからない、じゃじゃ馬。父の提案は、割かし、的を射ているなあって、感心したのは、本屋でアルバイトしないか?っていう発案だったからなんです。