ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔12〕キャロはそこで、自分が落ちこぼれで、味わった疎外感以外の沈痛を抱える、前夫と長く対峙していた。自分は、まだ、苦しみ方が半端なのでは?落ちこぼれという、立場に甘んじていただけなのでは?そう反省する程、前夫は苦悶していました。事実上の父親を知り、尋ねたりを、繰り返していたのです。それでも、取り合ってはもらえなかったのでしょう。母親が尋ねて来ると分かってからの、彼のはしゃぎ様ったら、ありません。異父姉妹がふたり、彼の何歳か下にいたのですが、今回は東京で、留守を守っているそうで、キャロは妹さんたちとは、とうとう会えずじまい。でも、彼のはしゃぐ方を間近でみて、こころが、ざわついたのです。恐らく、落ちこぼれに捧げる詩は、こうして、完成のキッカケを得たものだと・・・。