ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔4〕落ちこぼれを描いた、キャロの中で比重を占め、しかも避けては通れないテーマでもあった、高校生放浪記が没になり、キャロは出版社に原稿返却要請を出します。どうしても、もう一回読んで推敲したかったからです。いろんな想いが錯綜して、もうダメなんだ・・・との想いと分野を誤ったのでは?という処の懐疑ですよねえ。確かに250枚越えて書いて、真実を伝えた積りではあるものの、実際には、真意として伝わらなかった。文章も未熟だったと。結果が持つ強い教唆でした。短歌もそろそろ本腰を入れるかあ・・・。まだ、24歳と、若いですから、枝を広げることもその思想もたおやかでした。いずれは終結する、しないといけない一首も持っていたのです。キャロのよみびとしらすの本の一首に、腐りたる 林檎とみなされ 捨てられし・・・っていう短歌の四句目、五句目がようやく出て来たのが、50歳過ぎてから・・・。16歳で途中まで詠んで、やっとこさ、完成するのが、35年後。息子がこの高校を巣立った後からでした。長い長い歳月を経て、恨みが、感涙になっていった。一体文学って何でしょうか。そうまで、キャロを鍛え上げてくれた、文学、そしてこころから離れない音楽とは・・・。キャロはこの二本のレールがないと走れないし、いわば機関車トーマスですかね~♪