それで、先週、家の持ち主が父になっていることを、宿七さんと確かめに行ったんです!!まだ、父の名前でした。父の家をキャロは残したいんです。そして、そうすることが、弟の為にもなるって。住めないことはないし、キャロが六歳から二十歳まで、住んだ生家。それなりの価値はこれから出てくると思うんです。矢上には11メートルは超える幹の太さでは他を寄せ付けない楠の木が、矢上小学校隣接の八幡神社にあるんですが・・・。それのライバルと言われた、背の高さでは、長崎市では他にはないとまで言われた楠の木のふもとに和田家は建っている。家の床下には、楠の根が来ているんです。父が十歳の頃建築ですから、80年は経っていて、二階部分はキャロが六歳で引っ越して来た西暦1962年に増築しています。母が一階の人々とは一緒に暮らしたくないと駄々をこねて作らせたんです。四畳半、八畳の和室、二畳の板張りの台所、三畳ベランダ。今にして思えば、凄いワガママ女性ですよね。伯母や、叔母、そして従兄弟達、何人かの同居人もいましたから、階下には常時四人以上はいたけど、母は口もきかなかった。それが、いかなる結果をはじき出したのか?弟は母を心底愛し、キャロは父を心底理解した・・・。その逆もありはしましたが、少なかったですね~