ルビー・ウーマン《復讐の館編》〔5〕男という生き物が持つ恐ろしい素質・・・。わが子であっても、お祝いにも来ない。長崎で、いやニッポンで最も、不幸な母子ですが、キャロはなぜ、娘と自身が、生還できたのか、そっちの方がイワク付きであると直感したのです。なんの汚れも見当たらない、雪・・・。神は比較を示唆します。この出産には、家と家の政略結婚を超える女の打算が介在すると、否応なしに、神はキャロにまつわる疑惑的所見を、言い含めてきます。3640グラムの巨大児〔頭囲がかつてない数字〕を生かして、しかも母親であるキャロをも救ったのには、女の打算を超える神のご意志が・・・。この国の男が抱える不可解なメンツと、その気概についてを、後世の資料として、特に東洋人の記録として残したい・・・と。キャロは質問を受けます。天才と凡人の差異についてを。凡才がドタキャンの常連であるのに対して、天才とは、土壇場に来てなおかつ、出来る〔can〕を、迷わず発声する者達を指すと。土壇場でcan??神は、念を押してきます。そしてやがて、回答があります。東洋人である、匹婦のお前を、一度限り、信じることにしようではないか・・・と。