宿七さんが、手術中、待機していたソファでね、ひとりの年配男性とまだ30代前半くらいの男性が話し込んでいたんだ。人様の話を聞くのもなんだけど、そこを離れないでって、看護士の方に言われていたので、ソファでずっと聞いていたんだ。ある裕福な、エリート家庭。三人の子供達が全員、親の面倒を看たくないって、退いたんだって。その様子を見てね、年配の男性がこう言うんだ。頭のいい人が全員、こころに難があるとは、言いませんが、これは、ちょっと、考えましたね~って。そして頭の悪い人、全員が情が深いとは、言い切れないですが、最近は、それについて、考える機会は多いって。30代の男の人も真剣に聞いているんです。では、どういう人間がいいと言えるんですか?って。その年配者がね、人間の優秀さとは、こころの優しさを言うと、私なりに鑑みていますって。ふ~~~ん。キャロも頷いてしまっていたんですよ、向こうも誰かの手術を待機室前のソファで待っておられたようなんですが、キャロ、しんみりきたんです。本当に、優しくて、度量のある人って、一体どういう場面でわかるってのが、親の介護に面と向かったときなんだなっていう処の発見なんですよねえ。