キャロが中二になってすぐ、その人が出張で、長崎に来て、母に会いたがるけど、会わないんだ。母が、電話に出ないから、キャロが出てね。その人が、娘さんだね?って。母に食事だけでも、してきな~って言ったんだけど、行かなかった。きっと、自分の中に完成された思い出が傷つくのが怖かったんじゃないかな?ラジオ局で、出世して、新聞にも出る位だから、プライドもあったんだろう・・・。母が会わないっていう姿勢を貫いていることを、重んじたんだね。キャロは大人って、イマイチわからんな・・・。遭うだけでも、キャロなら、嬉しい。でもその後に、また別れが・・・。ハッとさせられた。好きだから、遭わないんだよ。また、同じ苦しみが待ってる・・・。キャロはその時に、ちょっとだけ、大人の世界を垣間見たって、魂に刻んだんだ、例えばね、母に影響与えたその男の人だって、キャロには、無縁ではないんだってこと。繋がりが繋がりを呼ぶんだよ。母は、ヤッパキャロより、かなり、繊細に出来ているんだよ。そして、お琴や、三味線を教えた、キミ。この祖母が相当の兵〔つわもの〕、日本女性の鑑のような性質だったとキャロは見ているんだ。礼儀作法とか、料理とか、母は、キミから叩き込まれ、キミのそばに最期までいた・・・。親子って本当に、その絆を断ち切ろうたって、出来ないし、不思議な、エニシで、結ばれているんだよねえ。