ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔249〕東望の浜海水浴場の入口は何と言っても遠い場所からバスに乗って来る子供達にとっての、わくわくのバス停留所で、東望道と言い今もある。本格的に海が見え始めるのが、今のひがながのイオンあたりで、この近隣の夏の賑わいが目に浮かびます。しかしようちゃんが六年生になったこの頃、桟敷だけが残って取り壊す寸前ではあったものの、砂浜に来て遊ぶのは自由だったのです。ある時、そこにデビューしたばかりの谷隼人さんが来られていて、それを目にした級友は声にならない声を絞り出します。あ、あれは、間違いなく谷隼人だよ!!って。まさかと私は振り向きもしません。こんな片田舎にあんな有名人が来る?しかも何をしに?って。盛んに撮影をしているようで、谷さんは砂浜に横になったり走ったり寛いだりと色々なポーズを取っていて、もしかしたら本当かも??って私も本気になって砂浜にいる男性達を見るのです。嬉しいってのはこういう日!!って級友たちははしゃぎまくり、夢の一日を後生語り合う。ようちゃんは有名人と聞き、一瞬、ドキっとしたあの新鮮な気持ちを忘れません。仲間の興奮がこっちまで伝わり、記憶のシャッターによって撮影封印されたことを肝に銘じます。私はこんな凄い体験をこの浜で出来るとは思ってはいなかった。駆け出しの俳優さんのその後に注目したのは当然でした。