イエローダイヤ・マン《標榜編》〔600〕戦略はないのに戦略的に見られる人間の苦労も僕は少しは理解出来る。周囲がその人物のことを、頭がいい、駿英ですべてに速いって思い込んでいる例で、その浸透ゆえに逆にすったもんだすることもままある。自分が知らないで周囲が知っている。そ、そんな馬鹿なことがあるのか?っと僕でさえも不思議に思ってしまうが、それは本人がかなり傲慢な時に起こる珍しい現象で、それに加担しないタイプの僕は常に、相談相手に選ばれて彼の言い分やくやしさを知る機会を得る。小さい時からそうだった。みんなと群れているのに自分の意見を確固として持っている。その正体を知るがゆえに丁重に扱う級友もいた。僕を怒らせたら一生付き合ってはもらえない。それくらいの他意識を周囲に悟らせた僕も僕だが、根底にはこういう思想はあったから忌憚なく話してみよう。僕は他のみんなとは少し違うんだ!!っていう気付き。それが傲慢だという親友もいたが、僕はこの線引を守った。僕に嫌われたら一生付き合いは出来ないと口に出して公言したわけではないものの、率直に、何度も、人とは違うスペシャルを言うことで友達に分からせた。苛めにあったことはゼロではないものの、必ず助け船が出て来て救助された。それが女子だったこともある。かけがいのない苦笑いではある。