ピーパー・ウーマン《ジュエリー・ボックス編》〔254〕六番目を紐解くにはまずエアポケットを搔い摘んで説明出来ないと嘘になる。あの危険察知の?はい、誰もがこの英語を使って日本語流にアレンジして来たのですが僕はもっと素晴らしい効能を持った外来語として今後の運用を考えているんです。じゃあ、危険ゾーンではあるもののそれを好機に活かすっていう意味?一回でマレさんは回答しましたがそれだけではないんです。エアポケットは事象すべてに絡んでくる。日本のみならず世界のポケットを弄る可能性すらある。じゃあ、私達の人生でこの六番目のエアポケットをいかなる語訳で結ぶわけ?それは僕達の仕事ではありません。事象そのものが僕達の力の及ばない処まで及ぶ可能性があって、むやみに結論じみたことを言うことがまず憚られる。わかったわ!!私はこう推定する。エアポケットはひとつのシグナルだと。備えのある人は怯えない。そして行いのいい人はたじろがない。ええ、マレさんなら大丈夫でしょう。しかし他の多くの自堕落の人々はどうなりますか?もっと怖いのはこれまで良心の塊だと思われて来た人々のおぼつかなさでしょう。マレさんはもしもそれらを助けたりはないでしょうね?助けるってどうやって?良かった。貴女には良心の呵責があり過ぎて、それが邪魔だったんです。