イエローダイヤ・マン《標榜編》〔590〕独身者を支援する会の発足メンバーに僕は名前を連ねることになって、自分のニックネームをこう記す。クリスタル0709と。恥ずかしさも多少は味わうか?と思いきや、そうではなかったのだ。クリスタルという五文字の御蔭。実はヤバクネ?をたびたび発する若者が非常に純粋な精神を維持していて、真剣に結婚を考え出したと聞き、僕は彼の為にやばくね?の語彙解体に乗り出したのだ。優しいけど馬鹿じゃない、クリスタルのネガティブというキャッチフレーズに彼は感極まる。こんな、俺なんかがそんな呼び方合わないのではないっすかねえ?って。真剣な眼差しで詰め寄って来たので迷わず一蹴する。君のやばくね?はどんな意味で普段使っているの?って。彼は自然体で答える。ちょっと乱暴じゃないんですか?っていう場合と、凄過ぎるようないい感嘆の場合に使用と答える。両極端だな?って僕は言いながら君の場合は常にこう聞こえるって相手に了承を飲み込ませる。ど、どういう意味なんですか?って彼は訊いて来ない。君の場合は常に相手からイエスを得たい時に使っていると僕は推定するって。彼は新境地を開いたようだ。最近はやばくね?を自重するように変化してきた。クリスタルネガティブの宝石単価を落とさない為に?僕には確実にそう見えている。