サファイア・マン《面白い男編》〔186〕伯母の性格には矛盾がありまくりで、これで若い頃、一回目の結婚生活に破綻を及ぼしたのかも?っていう節がようちゃんには見て取れていて、一回こう言ったかと思うと、別の違う一面も同時に包括してきたりで、その速さに実はついていけないでいた!!ということがある。例えば例に出すと私の母のことです。戦時中もきっと旨いものを食べていたのでは?と言ったかと思うと、その発言を撤回するのです。いやあ、あの時、もはや、美味いものなんかは無かったかも。大佐の家ったって、もう台所は火の車だったかも?って。エキセントリックにも程があるとも思いますが、実際大佐の家は伯母にとっては雲の上の存在で全然わかるよしも無かったのかなあって。伯母の評価額もころころ変わる。それは一緒に万博にいった少女のことで、後に医師になったんですが、ようこちゃんの方が根が優しくて、いつも万博会場でおごっていたのは容子ちゃんだったって。でも、そこまで右往左往する性癖では言質が獲れないっていう作家本来の目線は絶えず稼働していて、しかし、この言葉だけは揺るぎがないな!!って私をまともな観点に据え置いた言葉があって、ようちゃんは伯母の深いい示唆に熱いヒントを貰っていたのです。