ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔238〕引きこもりの走りのような弟の性向が小学校六年生のようちゃんの感性を刺激します。なんと風邪で数日休んだのをきっかけに彼が幼稚園に登園するのを嫌がっているという話を母から耳にするのです。恥ずかしがり屋の弟の気持ちもわかるし、行く気になるまでそっとしておいてもいいのですが、母はやはり登園日数が減ることで弟に集団生活を敬遠する素質が定着するのを恐れ、担任に相談したようで、担任も親身になって打開策を持って再び訪問してくるのです。ようちゃんはびっくりします。担任が持って来たのは部屋で走る汽車とレールの一式だったのです。母もそれには驚き、弟は明日から幼稚園にいく!!と先生と指切りげんまんまで交わしています。ようちゃんは子供心にもこの汽車は誰の財布から出たお金で購入にあいなったか?が気になります。母もそこをぼかして話してくれません。ようちゃんは自分が執拗に物事の根本に拘る性向にあることを身を持って知るのです。この汽車が誰の財布から購入されたものなのか?これが気になって後生頭に残っていたということは金銭に鋭敏だったからなのか?それとも単なる教師像への理想夢の範疇だったのか?世の中には、はっきりしない方が、いいこともある!!って父までがぼかした時に心憎くなってしまうのです。