ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔234〕小学校高学年というと、自分の認識の中に家族構成が位置を占めて、伯母が矢上小学校の一年生の担任として職務に就いたことがようちゃんの心を闊達にするどころか、ナーバスにしていました。伯母は厳しい生活信条を通している人で、もしかしたら、ポロっと父を配下に置き制圧的な生活を送る母の日々を周囲に言うっていう事態がなきにしもあらず?しかしようちゃんは伯母を信用します。すぐに和田さんは並はずれて成績がいいって、担任は伯母に言ったようで、ようちゃんはくすぐったくなります。全く勉強をしてはいなかったからです。読書感想文でそれがばればれになってしまう。ようちゃんは誰が見ても秀才っていう文章を意図的に書き出していて、それが掲示してある校内階段を登るたびに実は恥ずかしくなってしまうのです。そういうこともあって優れた文章の本質についてをようちゃんはゼロからスタートさせます。文章の四捨五入作業で、頭の中で展開させながら新要領を得るのです。優等生や秀才がこの国で認められるのは十分解っていることの対角線上に自分を置くのです。彼らが困難に喘ぐ時に一抹の清涼剤を与えうる大人に成長することが出来れば御の字だろうって。伯母は身長が低く全校集会でも見逃すことが多くて、ようちゃんは一回伯母の教室にも行ってみたことはあるんですがその時遭遇はしていないのです。