アクアマリン・マン《真春と真秋の間編》〔19〕母が経営する店がわかってもなお俺が入店出来ないのには俺のプライド関与で迷いに迷っていた。その店に俺はひとりで行くとしても、孫がいることを母に伝えたい!!しかしそれよりも息子と一緒に住めてはいない今の自分の境遇に母が気が付くのでは?そこがネックになっていた。なぜなら、人並み外れて霊勘が鋭いことは調査でわかっていたからだ。俺は誰かに変装して軽妙に店を訪ねてみることも視野内だったが、そこまで演技者になれない自分の立ち位置を呪う。根が正直過ぎた。小学校時代いつもその事で、友人を無くしていた。誰にも優しく対応出来るということは、時に裏切りで、腕白な友達は食って掛かってきた。危険な時に守ってやったのに、今なぜ、あいつと仲良しなんだ??って。そういう我儘なセリフで俺の前に来る奴にはろくな人間はおらず男同士の付き合いの重さを小学校時代から熟知していたとも言える。普通の縁もゆかりもない人々の方が俺には合っている!!そこに気が付いた俺自身によるディスカバリーこそが俺の人生を補てんした。セールスも少しはしてみたのだ。経験は余り語りたくない。数字によって人生を査定され来月を任意確定される。そのような仕事に就ける人々を俺は心底尊敬出来る素地を持っている。