サファイア・マン《緻密な男編》〔177〕日常における生活鞭撻者が隣にいながら、彼も私を差別し、まだ、銀行にも届けてない状況、そして私もそのお陰で自分というものの座標の正確な位置を知ったという珍しい結婚になります。ようちゃんには芸術家としての出発点があって、それを結婚したから、はいそうですね?って切り替えられずにいた!!っていう泥臭さが効を奏ずる。彼は彼で自分のワカガマを見事に通したのです。支店長になってからしか家族を銀行には届けないっていう。二人ともワガママの極致ですし、そうい結婚は類を見ないでしょう。普通は結婚式をするからです。出来ちゃった婚でもそういうワガママコースを辿るのは稀なケースなので、これから結婚する人達は、地味婚なら地味婚なりに創意工夫をして人生のイベントでもある結婚式に精神もお金も費やすべきだとシゲルちゃんも後悔しきり。それが味のあるいい人生を司る役割を立派に担ってくれる。人生培養術をまだ、その頃、ようちゃんは会得してはいませんから、子供に目を配る時間がなかったとは言い訳で、子供と共に成長する方法も実はあったのです。しかし不器用でわがままなようちゃんは時間のすべてを自分本位に使用する方を獲った。これまでの経緯を見てそこを思うのです。