ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔232〕栄ちゃんは赤ちゃんを抱っこして、彼氏も連れてくるのですが、そこは想像していなくて、六畳の洋間がきわどい色に変化します。栄ちゃんは普段はお母さんにこの赤ちゃんの面倒を看てもらっていると打ち明けて来ます。彼氏も気さくでトッポいサラリーマン!!よく捕まえたわね?と口から出そうになるのを我慢します。各部屋には木製のベッドが備付でそれが助かります。夏でした!!あの頃の貸間にはエアコンなんていう上等なものは存在せずに丁度世の中が過渡期で、それが尋常とする上流階級もいるにはいたんですが、私達は扇風機で十分幸せだったのです。ちょうど栄ちゃんが帰ろうかとする頃、父が階段を上がってきて、そこは栄ちゃんがいたことで救われるのです。この界隈は便利で、お風呂屋さんもあって、スーパーもあるんですが、そんなことは父には通用しません。もう少し経ったら解約して家に帰る!!って話しても父は、しつこいのです。客人が帰った後もこんこんと説教されてようちゃんはヘタレになって行きます。美容学校の勉強も怠らず、きちんとしていると説明しても全然聞いてくれないどころか、ようちゃんが揃えた家具、ガラステーブルと椅子二脚にいちゃもんをつけて来るのです。