サファイア・マン《面白い男編》〔173〕ようちゃんにはどうしても出来ないことがあって、それは紙に書いたものを棒読みっていう動作で、その宴会の席で絶対に訪れる自分の気持ちを発表するという瞬間を本来なら、そつのない言葉で始まり、出過ぎない程で終らないといけないのに、やはり、即興型の人間。今のブログ書きでもそうです。一時間掛けて煮詰めたりがなく、すべて、ブログ小屋の椅子に座って、順次閃いてくるものをしたためるのです。この宴会の席はいわば、私達夫婦の門出のようなシーン!!それなのにようちゃんには、文責を担う誰も存在しなくて、今思い出してもおかしくて、これこそが川柳の世界かなあって。シゲルちゃんもようちゃんの感謝の言葉が全くないことは重々承知のようだったし、だからこその戦慄が彼にあったでしょう。人生の最高場面で、ようちゃんが、正しくその時に、浮かんだままで、物を申してしまったことが審査部の面々の心を突き動かした。それ位に破天荒だった自分を今は容認出来ます。溜まっていたものが急ぎ流れた結果だったね?と後で、シゲルちゃんは理解を示してくれますが、大変な負債を抱えている女性の言葉ではなく、それらにしっかり蓋をしている点が巧妙だったなあって。