ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔229〕船乗りが最初にスナックに来たのは地元の先輩に連れて来られた時で、たぶん、彼は人から誘われてやっとこういう場所に出入りしている様子。しかし夜の雰囲気は好きだったようで時々自分の周囲を見回すのです。タンカー乗りってことで、又暫く留守をするから、その時は一杯外国のお土産を抱えて来るからね!!が嘘ではなく本当にそうなると、ようちゃんは心底嬉しかったのです。しかし一緒にいて決して楽しい人ではなくやっぱり場が持てないのだろうな?って。いい男性なのに、働き者なのに、体格もいいのに、自分がどこかで迷っている段階でこれはどうしたものだろう?って。真実本当に欲しかったのは日々他愛のない活発な言葉で言い合える友達的男性じゃなかった?って。今も思い出すのは、その船乗りが勇気を出して一人で飲みに来た時で、ようちゃんも緊張します。終わってどこぞに食べに行きたい顔をしている彼にどうしても、一緒にミッドナイトご飯食べようよ!!ってこっちから言えなかった遠慮。いい人程結婚が遅れて、中々恋まで行かない真相になるので、しっかり計画性を駆使出来る大人になりましょう。ジゴロは一日ではならず。日頃から、デートの場所を隈なく検索する努力はいつか報われるのです。