サファイア・マン《面白い男編》〔172〕私の生活は不自由ではないものの、次に転勤するまで!!とそう時間を区切られて、どこまで自分がお人好し?などはもう考える余裕はない位の負債に追い込まれていて、当初から断続して作っていたカードも十枚を悠に超えてとうとう質屋利息が遅れがちになっていきます。その頃の質店は今とは違い電話を入れて、待ってもらえることもあり、私はそれでも、宝石を質流しにしてしまうことだけは避けたくて四年間はみっちり利息を支払うのです。しかし転勤のたびに質は無くなっていくのです。そして全部を質流れにしてしまうまで凡そ十年の歳月を必要としているのです。なぜ、女性は宝石にこうまで惹かれるのか?そこが留意点として残ったことが感概深く、多くの宝石たちが、今、どこかの女性の指で輝いている!!それを想像するだけで、満ち足りた気持ちになってしまうのですが、シゲルちゃんは二重に利息が掛かったことを悔いまくっていました。一時期でも自分の所有物にした感動は今も消えないし、それ程、心が鬱屈としていた。もしも暗い気持ちを取っ払う役割を宝石が果たしたとしたら?今は宝石に目を奪われた自分を肯定する気持ちになっています。誰もが心の空腹を抱えていて、それが分かるのが自分とは限らないのです。