ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔222〕彼女は学校が終わると迎えに来てくれる彼氏さんがいて、しかも当時は携帯電話もない時代。彼氏さんの根気に参ります。どうすればこういう律儀なタイプの男性を手に入れられる?とようちゃんは羨ましさを通り越して懐疑的になって行きます。自分の人生のその時期までで、車での送迎を買って出て来た男性をにわかに思い出す。ようちゃんが外語短大に入学と同時に急接近して来た中学時代の同窓生。彼の車に乗り込んでしまい、その彼の親切な心を信じた自分の純粋さ裏切るような態度に辟易として、急ぎ解放してもらい車を降りたときに感じた安堵感。そういう感じの男に行きあたった自分の悲劇とは裏腹に、彼女の幸せの絶頂のような微笑み。自分は車を販社に返してしまって、もうアッシーと呼べるような男の子もいない故くやしかったのです。二人して車でドライブ出来て、今ならコンビニ駐車場で、一時間くらいしゃべって家まで送ってもらう。そんな日常の中で繰り広げられる光景にようちゃんは憧れと羨望を抱くのですが、第一番目のアッシーとして現れた彼が余りに意表を突いた行動に出た事で、憶測は芽生えていたのです。