ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔221〕ようちゃんが再び冒険主義に引かれていったのも東望の浜海水浴場を通り過ぎ、川徳やほてい館をさらに前へと歩み込んだ場所に洋館が立っていたからです。男の子達、あの憧れの転校生達もようちゃん達が着いた時に居合わせて、お互いこの洋館の神秘についてを語り合っていたのです。住む人は居なくなって家だけが取り残されて家具類も少し残っている。私も含めて五、六人がこの洋館にすっかり魅了されて皆が、幽霊屋敷の名称をここに名付けるのです。ようちゃんには恐ろしいものが出揃った時にひとりではなかった安堵と同時に、何も親から言われなくとも午後五時になったらばいば~~いって言いながら帰宅したあの頃の律儀さを思うのです。もしも今、自分が小学生なら、この場所が暗くなった時にしかと感じ入ることが最高だ!!とは思うもののやっぱり孤りでは無理です。ようちゃんは男の子達がその洋館で拾ったものを、あれこれ分析していることにヒントを貰うのです。女子がただ単に時計塔のようなものがテッペンにある!!って騒いでいるにも関わらず、男子は足元を隈なく見ながら怪しいものをピックアップしているのです。