ピーパー・ウーマン《ジュエリー・ボックス編》〔71〕たとえ億万長者でもホールでは手厳しい裁可を下されるし、逆にルンペンの方に勝利の女神が微笑むことがあって、私がホール第一主義を励行するのもこの平等感覚にあるの。俺だって、何も知らない俺だってビギナーズラックで勝利する事もある?ええ、今は目押しもあるし、サービスが隈なく行き届いているから昔に比べたら幸せな場所になったと捉えていい。目押しサービスが昔はなかったんですね?それ以上に恥ずかしいのもあって、顧客達はおのおの自分の動体視力を磨いてスリーセブン合わせの修業を行なった!!その結果そういう目押しを出来ない顧客すらいなくなった?いいえ、たまに私みたいな場違いな客がいてだからこそ、ホールが楽しい場所になっているんじゃないかしら?俺もハイエナに狙われる口ですかね?でもハイエナ達は目が肥えていてそもそも退却するのを待っているっていう事態、その台に兆候が見られる証し...。そう言う時には?わざとトイレに立った振りをして動向を見守るの。食事休憩?ええ、一旦諦めた振りを見せて、又戻ってきた処を上手く目撃させ、さらなる好奇心を相手から引き出す。ほおおお。