ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔220〕幸せな事に美容学校でも無二の親友を得ます。その女性はようちゃんよりも三歳上でかなり頭が良くてほぼクラス一位を占めていた。そして考え方が優等生にありがちなガチガチやがっちりがなくてどこかお嬢様風だったんです。当時美容学校でもクラスで何位とかいう通知表があってようちゃんは極平凡な位置にいたのに対して彼女は時代のマグマを包括しているかのようにエネルギッシュで、長い髪をソバージュにしていつも肩より以上垂らしていたんです。ようちゃんは姉がいませんから嬉しくて彼女から誘われると断ることが出来ません。嬉しいっていうより姉妹のようで、いつも一緒に下校かと思いきや、彼氏が迎えに来ていて、乗らない?って時々は誘われますがそれは遠慮します。恋の邪魔する奴は馬にでも蹴られておしまいな?っていう諺を知っていたからです。彼女はいつもきめ細かな感性とは相対する明日は明日の風が吹くみたいなロジックを持っていたそのことに今救われる思い。そういう大きな包容力にようちゃんは弱かったのです。彼氏のことも詳しく訊きたいなとは思うもののそこまでは聞けない。年上美人だったからです。