サファイア・マン《緻密な男編》〔163〕気が気じゃないとはこのことで、実はパラドックスにようちゃんは覚醒するのです。彼を追い出したことで、自由なようで、実は外出もままならなくなっている自分の真実に気が付く。子供達だけなら彼は悠々入ってくる。そういう際どい状況にさらされていて、とてもゆっくり西鉄ストアに行くことが不可能になっていることに気が付かされる。しかしよく鑑みると彼が勤務している間が大丈夫!!ということに気が付くのです。その時間帯なら安全という時間枠が存在していて、暫く夜は出掛けるのは避けないと。強い決心でした。しかし鬼門のような彼がいないことで、自由自在に展開する創作の根源。泉のように頭から沸き出てくる新構想に胸が高鳴るのです。まだこの頃、随筆と日本では呼ばれるエッセー以外に童話や面白い物語を頭で沢山捻出していて、そのひとつひとつを秤に掛けていたのです。自分はどんな分野で、最もその筆力を稼ぐことが出来るのか?そのテッペンが何なのか?この見極めは酷く重要で、翌日が土曜で出掛けることは控えていると、玄関のポストに何か紙が入れてあるのに気が付きます。彼からの伝言でした。