ピーパー・ウーマン《ジュエリー・ボックス編》〔50〕たとえ資金が豊富でもダメな時も往々にしてあります。じゃあ、まだ何か特別な視座が?ここでわかっていなければまずいのは時間の効能です。夜の九時以降にホールに行って小銭を稼ぐ積りでは毛頭ない私達。徹夜の券取りも自分が並ぶ意欲を見せなければ嘘でしょ?はい、俺も並んでもいいですよ?いいえ貴男には並ばせない。ええ?時間給が高過ぎるからです。貴男には別のことをやってもらいましょう。何ヶ国語話せますか?英語だけです。それなら喫緊にフランス語を取得してください!!シャンゼリゼ通りが私の夢の中に出て来たんです。他のどんな町よりも今私を待っているのはこの界隈。そ・し・て夢の中で私はこう言われるんです。いつの夢ですか?ちょうど今月のいい夫婦の日。このルビーは貴女のものではありませんか?とパリの宝石店で追い駆けられるのです。右の指に、サファイア、エメラルド、ピンクパール、イエローダイヤ、アクアマリンを付けて左薬指にルビーを付けて鏡で見ている内にそのルビーの指輪を店内に置き忘れてしまうんです。自分では全く気が付いていなかった。それで?