ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔217〕番所橋の近くに新しい女友達が出来てようちゃんは紙人形を箱に入れて日参します。当時女子の間で流行していたのは紙人形に着せ替えセットで、雑誌の付録などでも盛んに出ていました。両方の肩で折り曲げて、様々な洋服を人形に着せる、そしておままごともそれを利用して家の中で遊べたのです。彼女には、お姉さん二人と弟がいて家は靴やさんでした。玄関がガラス張りになっていて遊びに行くと必ず靴の修理をしているお父さんに挨拶をするのです。マナーはきちんと守るし、成績も優秀ということでいつも歓待してくれるのです。そういう女子の遊びは正直、物足りない面も感じたのですが、彼女の遊び方が気に入っていたのです。いつも律儀で同パターンなのです。ようちゃんはしかしこの盤石さがもしかしたら女子を輝かせてしまうのでは?と海馬日記に付けるのです。女子のたしなみは何も男子より優位の成績を取るだけにあらず!?と。控え目でしかし根は強靭、意志もはっきりしていて、時間になったらさ・よ・う・な・ら。ようちゃんは自分の性格に几帳面が欠落していることを恐れていたのです。