サファイア・マン《緻密な男編》〔157〕シゲルちゃんに連絡を取り、今日だけは何があっても帰宅してもらうようにお願いします。そして立案も心に浮上していたのです。何度か鍵の場所までいって番号を動かしてはみたけどびくともしなかった鍵だけどこういう切羽詰まった状況になると、鍵番号を全部動かさずにロックするのでは?との算段です。彼に電話で暗示を入れてフェイントとします。人様に迷惑かけてまで鍵なんかかけるからこういうことになるのよ~彼は一言、すまんと答えて早く帰ってきます。僕が謝りに行った方がいいかな?大丈夫!!明日私からロールケーキ持ってお詫びにいっとから~彼の心は晴れ晴れして、なんで人のポストに鍵かけたかなあ?ってまだ、ぐだぐだ言っている。ようちゃんには正確な示唆があったのです。この按配なら鍵はひとつの場所を動かすだけで開けることが可能!!じゃあそれは一番上?下?馬鹿じゃないのか、決まってるだろ?っていう答えが聞こえます。翌朝ようちゃんが彼が出勤したあと、すぐに鍵を開けたことは言うまでもありません。