俺がどんなに経済論をぶちかましてもあいつは屁のカッパで俺の言うことに従ったことはない。しかし心のどこかでやはり、思いはあったのだろう。時々子供たちに、お父さんの言う通りになったでしょ?なんで逆らったわけ?でも母親は全然従わずに、子供たちにほ~ら見てご覧なさいよ!?ってしたり顔で言っている姿こそが、えげつなくて俺はあいつの心の深層を窺い知れないものとして担保した。子供たちの生き方は天才と同じであってはならない・・・という基本だろうか。天才の一時間は凡人の千時間とあいつはいつも連呼した。地球から月までくらいの開きがあるんだよ?って。普通の人間として現世で物事を成し遂げる為にはあいつの流儀は破格すぎて、よく飲み込めなかったが・・・ようやくわかってきた。しかるに自分の轍を踏ませなかった訳も・・・。デルスカイしておこう。天才が歩むのはぬかるみではない。