ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔213〕転校生がやってきて教室はみるみる騒がしくなります。その転校生はアンパンマンのバタ子さんを男の子にしたように顔が長くてようちゃんの心に一服が留ります。それまでずっと藤田まことの顔より長い!!や~~い、馬ずら~計ってやろうか?と定規を持って追い駆けられていたことが懐かしくさえなって彼のことをもっと知りたくなるのです。家も近所で母とそのお母さんはすぐ親しくなるのです。ちょうどその頃の東長崎中学校の前には丸福という家具やがあってその裏には青空市場が展開していて、母は毎日のようにそこへいって、野菜やコロッケを購入していたのです。母はその市場に来ていて、ようちゃんを見つけその男の子も紹介されます。男の子は大人しくて利発でどこにでもいる少年でしたが、顔が長かったのです。ようちゃんの喜びはひとしおで、もう穿った見方はしなくてもいいんだな!!って自然に打ち解けて行きます。自分よりも顔が確実に長い馬ズラ。しかしこのことは誰にも言いません。それを言うことで、苛めになるかも?という配慮が働いたからだと思うのです。